仕事とマナー

見にくい・見づらいのビジネスでの使い分け|敬語とメール例文

仕事とマナー
この記事の要点
  • 見にくいと見づらいはビジネスでも使えるが丁寧な依頼文に整えて伝える
  • 文字は判読しにくいと伝え表や説明は確認しにくい箇所を具体的に示す
  • 相手への指摘は原因と依頼を添え自分の資料にはお詫びと改善を伝える

取引先の資料が読めなくても、見にくいとそのまま伝えるのは少しためらいますよね。「見にくい」「見づらい」をビジネスでどう使うか迷ったら、言葉を選ぶ前に、どの部分で困っているのかを整理すると書きやすくなります。

どちらも見ることの難しさを表す言葉で、見づらいだけが丁寧な敬語というわけではありません。文字がかすれているなら判読しにくい、表の対応が分からないなら確認しにくいと伝え、再送や修正のお願いを添えると用件がはっきりします。

上司への確認、取引先への再送依頼、自分の資料を送り直すお詫びは、同じ文章では済みません。意味の違いと場面別の例文を押さえると、必要な指摘を残しながら、相手への配慮も示せます。

表記は見づらいが基本で、見ずらいとは書きません。丁寧さと具体性をそろえることが、仕事で伝わる文章の土台です。

「見にくい・見づらいはどちらも使える」「見づらいだけが敬語ではない」
  1. 見にくい・見づらいの違い|ビジネスではどちらも使える
    1. 見にくいは客観的、見づらいは主観的と分け切らない
    2. 見づらいは敬語ではなく、文全体で丁寧さを示す
    3. 見ずらいではなく見づらいと書く
  2. 見づらいの丁寧な言い換え|資料の原因に合わせて選ぶ
    1. 判読しにくいは文字や数字が読めないとき
    2. 確認しにくいは対象と理由を一緒に書く
    3. 不鮮明と不明瞭は使う対象を確かめる
  3. ビジネスメールの例文|上司・取引先・同僚への伝え方
    1. 上司には会議で確認したい内容を添える
    2. 取引先には再送してほしいデータを指定する
    3. 同僚へのチャットは短くても依頼を残す
    4. 部下への指摘は作り直しの範囲を絞る
    5. 会議中の口頭依頼は自分の状況から伝える
  4. 見づらい資料のお詫び|自分が送るときと再送するとき
    1. 見づらくて申し訳ありませんは具体的な対応を添える
    2. 内容を変更していないときは変更範囲を伝える
    3. 古い原本しかないときは制約を正直に説明する
    4. 問題がない資料に予防的なお詫びを付けすぎない
  5. 資料が見にくいと言われたとき|修正依頼と返信の例文
    1. 修正してほしい箇所が分からないときの返信
    2. 修正内容が決まったときの返信
    3. 拡大表示してもらうだけで済ませてよいか
    4. 確認できない金額や条件は推測せずに聞き直す
    5. 読みづらいと言われた後の再送では修正点を知らせる
  6. 見づらいを具体的な依頼へ変える|書き換え比較と図解
    1. 独自比較表で曖昧な評価を依頼に書き換える
    2. 相手の能力より資料の状態を説明する
    3. 恐れ入りますがを重ねすぎず用件を明確にする
    4. 送信前には原因を決めつけていないか見直す
  7. まとめ|見にくい・見づらいは原因と依頼を添えて伝える
  8. FAQよくある質問

見にくい・見づらいの違い|ビジネスではどちらも使える

見にくいと見づらいは、見ることが難しい状態を表す言葉です。ビジネスで使うこと自体が失礼なのではなく、相手の資料をどう評価し、どのような依頼につなげるかで印象が変わります。

見づらいに替えるだけで敬語になるわけではありません。資料が見にくいです、資料が見づらいですという文は、どちらも語尾の「です」で丁寧に述べていますが、相手への評価が直接的に残ります。

表現中心になる意味仕事で使うときの見方
見にくい見ることが難しい対象や条件による難しさを述べやすい
見づらい見ることが難しい・見る際の負担がある見ようとする人の負担を含むことがある
見えにくい十分には見えない小さい文字、距離、明るさなどの説明に使える
判読しにくい文字や記号を読み取ることが難しい文字や数字が読めない問題を限定して伝える

見にくいは客観的、見づらいは主観的と分け切らない

にくいは行為や状態の実現が難しいことを広く表し、づらいには行為をする人の負担が感じられることがあります。言いづらいという表現なら、話すことへのためらいが想像しやすいでしょう。

ただし、文字が小さくて見づらいという言い方も自然に使われます。外側の条件を表しているから見づらいは誤り、と機械的に判断することはできません。

金城克哉氏の「コーパス分析に基づく『~にくい』・『~づらい』表現の研究」は、実際の文章を集めたデータから、づらいの用法が外的な原因にも広がっていることを報告しています。

二つの語の違いは傾向として捉え、どちらが正しいかだけで文章を判断しないことです。仕事の依頼では、読めない箇所や必要な対応が分かるかを先に確かめます。

見づらいは敬語ではなく、文全体で丁寧さを示す

判読しにくい、視認しにくいという言葉にも、それだけで相手を敬う働きが付くわけではありません。硬い語を選ぶことと、相手への配慮を示すことは別に考えます。

視認とは、目で見て対象の存在や形を確かめることです。相手がこの言葉になじんでいないなら、文字が小さく読み取りにくいと書くほうが、困っている内容を伝えやすいこともあります。

資料への感想だけで終えると、何をしてほしいのかが残りません。数値を確認したいので、文字を拡大した資料をお送りいただけますかと続けると、依頼する理由と行動がつながります。

見ずらいではなく見づらいと書く

標準的な表記は見づらいです。見るという動詞に、つらいに由来するづらいが付いた形で、ビジネスメールでも見ずらいとは書かないようにします。

文化庁の現代仮名遣いの表記の原則では、二語の組み合わせで生じた「ぢ」「づ」の扱いを示しています。言葉の元の形をたどると、表記を覚えやすくなるでしょう。

見辛いという漢字表記もありますが、メールでは見づらいと書けば意味を追いやすいでしょう。難しい字へ置き換えるより、読み手がすぐに理解できる形を選ぶことです。

見づらいの丁寧な言い換え|資料の原因に合わせて選ぶ

文字が読めないときは判読しにくい、項目の関係がつかめないときは確認しにくいと伝えます。見づらいを広い意味のまま置き換えるより、どこで作業が止まっているかを言葉にすると依頼が絞れます。

困っていること言い換え依頼につなげる文例
文字・数字がかすれている判読しにくい金額欄を判読しにくいため、元のデータをお送りいただけますか。
小さい文字が見えない文字を読み取りにくい注記を読み取りにくいため、拡大した資料をお送りいただけますか。
色の区別がつかない区別しにくい系列を区別しにくいため、線の種類や名称も付けていただけますか。
表の行と列が対応しない対応を確認しにくい見出しと数値の対応を確認しにくいため、表の区切りをご確認いただけますか。
文章の意味が分からない内容を理解しにくい対象となる条件が分からないため、説明を補足いただけますか。
ファイル自体が開かない内容を確認できないファイルを開けないため、別の形式で再送いただけますか。

判読しにくいは文字や数字が読めないとき

判読は、文字や記号を見分けて読み取ることです。手書きがかすれている、画像の数字がぼやけているなど、何と書かれているか確かめられない場面に合います。

表の文字は読めるのに、計算方法が分からない場合は、判読しにくいでは問題を十分に表せません。算定方法を確認したいと書けば、画像の撮り直しではなく説明をお願いできます。

文字を読み取れないときに内容が難しいと伝えると、相手が文章を書き換えるかもしれません。読む前の段階で止まっているのか、読んだ後の理解で止まっているのかを分けて考えます。

文例:添付資料の金額欄にかすれがあり、数値を判読できません。お手数ですが、文字が鮮明なデータを再送いただけますでしょうか。

確認しにくいは対象と理由を一緒に書く

確認しにくいは使える範囲が広く、そのままでは見づらいと同じ曖昧さが残ります。どの項目の何を確認したいのかまで添えて、初めて相手が対応を考えられます。

例えば、売上の合計と内訳の対応を確認しにくいという文なら、困っている関係が伝わる文です。見出しを追加してほしいのか、合計の対象を説明してほしいのかも区別したいところ。

読み取りにくいは、文字の読みにくさにも情報のつかみにくさにも使われます。意味を広く受け取れる表現ほど、対象を狭く書いて補うと、依頼の行き違いを減らせるでしょう。

不鮮明と不明瞭は使う対象を確かめる

画像がぼやけている場面には不鮮明、表示や説明がはっきりしない場面には不明瞭という表現が使えます。どちらも硬めの言葉なので、単語を並べるだけでは丁寧な依頼になりません。

画像が不鮮明なため文字を確認できませんという文は、見づらさの原因を伝えています。説明が不明瞭ですという文だけだと、相手の説明全体への評価として聞こえる可能性があります。

言い換えた後も対象の限定が必要です。対象期間の記載が確認できないため、期間をお知らせいただけますかと書けば、抽象的な評価を避けながら必要な情報を求められるでしょう。

見づらいを硬い言葉に替えるだけでは、用件は具体的になりません。文字、画像、項目の対応、説明の意味、ファイルの動作のどこが問題かを分けて書きます。

ビジネスメールの例文|上司・取引先・同僚への伝え方

相手に資料の修正を頼む文は、受け取ったことへのお礼、確認できない箇所、必要な対応を短くまとめます。次の例文は想定場面に合わせて作成したメール本文の文例で、実際のやり取りを引用したものではありません。

上司には会議で確認したい内容を添える

上司の資料に修正をお願いするなら、作成方法を評価するより、会議で何を確認したいかに結びつけます。部署別の数値を読み取れないという具体的な支障なら、変更の目的が分かるでしょう。

書き出しに過剰なへりくだりを重ねる必要はありません。共有へのお礼を述べ、確認したい項目を伝え、文字の拡大などの対応を疑問の形でお願いする流れが作れます。

資料の共有ありがとうございます。部署別の実績表について、会議で投影した際に数値を読み取りにくい箇所があります。該当の表を拡大していただくことは可能でしょうか。

手元の画面では読めても、会議で投影すると読みにくいという想定例です。用途を添えることで、資料全体への否定ではなく、会議に向けた調整として相談できます。

取引先には再送してほしいデータを指定する

取引先には、書類のどこが読めないかと、何を送ってほしいかを組み合わせます。鮮明にしてほしいという依頼だけでは、撮り直し、元データ、拡大版のどれが必要か分かりません。

元データを受け取れるか分からないときは、元データなど文字を確認できる形式と書けます。相手が用意できる方法を残しつつ、満たしてほしい条件を伝える言い方です。

資料をお送りいただき、ありがとうございます。添付の画像では品名欄の文字がぼやけており、内容を確認できません。お手数ですが、元のデータなど、文字を確認できる形式で再送いただけますでしょうか。

確認できませんと明確に述べても、対象と理由を限定すれば用件が分かります。少し見づらいかもしれませんとぼかしすぎると、再送が必要なのかどうかが伝わらないでしょう。

同僚へのチャットは短くても依頼を残す

社内チャットでは、メールと同じ長さの挨拶がなくても話がつながることがあります。ただし、見づらいだけを送ると、短さよりも評価の強さが目に付くかもしれません。

共有へのお礼、対象、お願いがあれば、短い文章でも用件をまとめられます。日頃の会話に合わせた語尾にしながら、修正箇所を省かないのが使い方です。

共有ありがとう。グラフの点線と実線が少し区別しにくいので、系列名を線の近くにも入れてもらえますか。説明するときに確認しやすくなりそうです。

部下への指摘は作り直しの範囲を絞る

部下に指示する立場なら、丁寧に遠回しな文章へするだけでなく、何を修正してほしいかを示します。資料を全部見やすくしてという依頼では、作業範囲が広がりすぎるでしょう。

判断の材料になる数字を優先する、注記の文字を広げるなど、目的に合った対象を選びます。修正後に何を確認するかも添えると、担当者が完了の状態を想像しやすくなります。

集計表をまとめてくれてありがとうございます。確認に使う金額欄が小さいため、この表を拡大してください。修正後に、印刷した状態で金額と注記を読めるか確認をお願いします。

会議中の口頭依頼は自分の状況から伝える

その場でスライドが読めないなら、後でメールを送るよりも、必要な箇所の拡大を短くお願いできます。参加者全員が読めないと確認できていなければ、自分の状況として述べるのが正確です。

全然見えませんと強調するより、手元では凡例を読み取れないので拡大していただけますかと伝えます。原因が会場の表示や自分の端末かもしれない場面にも合う表現です。

どの相手にも同じ文章を使う必要はありません。取引先には再送の条件、同僚には短いお願い、部下には修正範囲を示し、相手が次に何をするか分かる形に整えます。

見づらい資料のお詫び|自分が送るときと再送するとき

自分が送った資料に読みにくい箇所がある場合は、お詫びと対応をセットにします。見づらくて申し訳ありませんだけで終えるより、改善した資料を送るのか、補足を伝えるのかを明記するほうが相手は確認を続けやすくなるでしょう。

見づらくて申し訳ありませんは具体的な対応を添える

見づらくて申し訳ありませんは、日常的な社内のやり取りでも使える言い方です。社外のメールなら、文字が小さく、確認のお手数をおかけして申し訳ございませんと具体的に述べる形もあります。

お詫びの強さは実際にかけた手間に合わせます。読めない資料で確認が止まっているなら、少々見づらいですがご確認くださいと、作業を相手へ預けたままにしないことです。

先ほどお送りした資料は、注記の文字が小さく、確認のお手数をおかけして申し訳ございません。文字を拡大した資料を添付いたしますので、今回の添付ファイルをご確認いただけますと幸いです。

この文例では、どちらの資料を読むかまで伝えています。再送が増えるほど古い添付ファイルと混同しやすくなるため、使ってほしい資料を本文でも示しておくと整理できます。

内容を変更していないときは変更範囲を伝える

文字や余白だけを直して再送する場合は、数値や記載内容を変更したかも明記することです。見た目の修正でも、相手は合計や条件まで再確認する必要があるのか迷うかもしれません。

内容に変更はありませんと書くのは、実際に照合した場合に限る言い方です。文章や数値も直したなら、変更した内容を隠さず、相手が見直す対象を特定できるようにします。

先ほどの資料は表の文字が小さかったため、表を拡大した版をお送りします。数値と記載内容に変更はありません。お手数をおかけしますが、今回の添付資料に差し替えてご確認をお願いいたします。

古い原本しかないときは制約を正直に説明する

手元に古い画像しかなく、鮮明な原本を用意できない場面も考えられます。その場合は、画質を改善したと装うのではなく、確認できる内容と確認できない箇所を分けて知らせることです。

読み取れない数字を推測して補足することは避けたいところです。元資料を確かめてから返答する、確認できた箇所だけ文字で送るなど、事実に合った対応を選ぶ必要があります。

保存している原本の画像が不鮮明で、一部の文字を確認できない状態です。ご不便をおかけして申し訳ございません。確認できた内容を本文に記載し、未確認の箇所は原本を確認でき次第ご連絡いたします。

不鮮明な箇所が条件や金額に関わるなら、確認できないことを明示します。お詫びを添えても、読めない部分を推測で埋める理由にはなりません。

問題がない資料に予防的なお詫びを付けすぎない

まだ問題を確かめていないのに、見づらいかもしれませんがと添えると、相手が何か不備があるのか探してしまうことがあります。単に資料を送るだけなら、確認してほしい点を案内する文で十分でしょう。

資料の細かさに理由がある場合は、拡大用の表も添付しましたと使い方を説明できます。謙遜の言葉を重ねるより、相手が読みやすくなる手段を添えるほうが用件に合います。

お詫びが必要かどうかは、読み取れない箇所の有無や、再確認・差し替えの手間をかけたかで考えると判断しやすいでしょう。謝る文章を付けること自体が、送付の定型というわけではありません。

資料が見にくいと言われたとき|修正依頼と返信の例文

見にくいと指摘されたら、まず対象と利用場面を確かめます。画面では読める資料でも、印刷や投影では見え方が異なるため、文字のサイズだけを変えても、相手が困った原因に届かないことがあります。

修正してほしい箇所が分からないときの返信

指摘が短いときは、どこが見づらいか分かりませんと返すより、対象を選びやすい質問にするのが一つの方法です。表、画像、注記のうちどの部分か、画面と印刷のどちらかを分けて尋ねる形です。

資料の欠点を一から説明してもらうより、確認したい範囲を示す質問です。すでに対象が書かれているなら、同じ質問を繰り返さず、その箇所を確認して対応を返します。

ご確認ありがとうございます。読み取りにくかったのは、集計表の文字と、グラフの色分けのどちらでしょうか。閲覧されたのが画面上か印刷物かもお知らせいただけますと、該当箇所を確認して修正できます。

修正内容が決まったときの返信

原因が分かったら、対応する箇所を伝えてから作業に進みます。対応しますという一言でも返事にはなりますが、相手が期待している変更と揃っているかまでは確認できません。

文字が小さいという指摘なら拡大、色の区別なら名称や線の種類を追加というように、確認できた原因と対応をつなげます。返答には、実際にできる作業だけを書きます。

ご指摘ありがとうございます。注記の文字を拡大し、表と重ならない位置に移します。修正後は印刷した状態でも確認のうえ、資料を改めてお送りする予定です。

拡大表示してもらうだけで済ませてよいか

表示を拡大すれば読める資料でも、相手の使い方に合うかも確かめたいところです。手元の確認なら拡大表示が選択肢になりますが、会議で配布する資料なら作成側で調整するほうが目的に合うでしょう。

拡大すれば見えますと返すだけでは、確認の手間を相手に戻すことになります。用意できる方法を伝えたうえで、必要なら拡大版も送るという相談にすると、作業を進めやすくなります。

ファイルが開けない、画像の元の文字がぼやけているという問題には、拡大表示だけでは対応できないこともあるでしょう。原因を確かめず、すべて同じ方法で済ませないことです。

見づらいという指摘を受けたら、対象、閲覧方法、必要な情報を確かめます。原因が分かった後で対応を伝えると、修正したのに直っていないという行き違いを防ぎやすくなります。

確認できない金額や条件は推測せずに聞き直す

資料の数字や契約条件が読めないときは、やわらかい言い方だけを優先しないことです。文字が読み取れないので確認できないと明示し、何を確かめる必要があるか伝えます。

多分この金額だろうと見当を付けて了承すると、相手は確認が終わったと受け取るかもしれません。確認中であることと、回答を待っている項目を分けて知らせるほうが正確です。

合計金額の末尾が判読できないため、現時点では金額の確認ができておりません。該当の金額を本文でもお知らせいただけますでしょうか。確認後に改めて返信いたします。

読みづらいと言われた後の再送では修正点を知らせる

修正版だけを送ると、相手は何が変わったかを探す必要があります。文字を拡大した、凡例を追加したなど、指摘と対応のつながりを短く説明すると見直す箇所が分かるでしょう。

指摘されたことへのお礼と、実際にかけた手間へのお詫びは別に書けます。毎回長く謝るより、修正を確認できる内容を優先し、必要な言葉を添える形です。

ご確認のお手数をおかけしました。注記の文字を拡大し、グラフの線の近くに系列名を追加した資料を添付いたします。修正箇所をご確認いただけますと幸いです。

見づらいを具体的な依頼へ変える|書き換え比較と図解

文章を整える軸は、丁寧さだけではありません。何を伝えるか、相手が理解できるか、場面に合うか、相手との距離に配慮できているかを一緒に確かめると、言い換えだけでは足りない部分が見えてきます。

文化庁の分かり合うための言語コミュニケーションの報告は、正確さ、分かりやすさ、ふさわしさ、敬意と親しさの四つを挙げています。次の図は、この整理を資料の依頼文へ当てはめたものです。

出典:文化庁「分かり合うための言語コミュニケーション(報告)」の四つの要素。各枠の資料依頼への当てはめは編集上の整理です。図は点数や効果の測定値を表すものではありません。

独自比較表で曖昧な評価を依頼に書き換える

下の表は、同じ問題を別の言い方で伝えるための作成例です。単語の置き換えよりも、困っている原因と必要な対応が残っているかに注目すると、仕事の文に使いやすくなります。

曖昧になりやすい文具体的に整えた文伝わる内容
資料が見づらいです。注記の文字を読み取りにくいため、拡大した資料をお送りいただけますか。対象、困っていること、対応
表が分かりにくいです。合計に含まれる項目が確認できないため、対象の項目をお知らせいただけますか。説明してほしい点
画質が悪いです。品名欄にぼやけがあり判読できないため、鮮明な画像を再送いただけますか。読めない箇所と必要な状態
もう少しきれいにしてください。表の見出しと数値の対応が分かるよう、区切りを付けていただけますか。変更してほしい作業
見づらくてすみません。注記を拡大した資料を再送いたします。今回の添付ファイルをご確認ください。送り直した内容と使う資料

相手の能力より資料の状態を説明する

文章が雑です、作り方が悪いですという評価は、今回の修正に必要な情報を十分に示しません。資料の状態へ戻し、どの文字、画像、項目を直すかを説明します。

丁寧語を付けて作り方が悪いですと書いても、評価の対象は相手の仕事全体に広がったままです。敬語の語形だけを整えるのではなく、伝える内容を限定するのが書き換えの要点。

確認に必要な問題を指摘することと、相手の能力を評価することは別です。評価が目的ではない修正依頼なら、今回必要な条件と対応を具体的に伝えるほうが、次の作業につながります。

恐れ入りますがを重ねすぎず用件を明確にする

恐れ入りますが、お手数ですがという前置きは、相手に作業を頼む配慮を表せます。ただ、同じ依頼文に幾つも重ねると、何をお願いしているのか見つけにくくなるかもしれません。

難しい表現を足すより、お願いの対象と理由を短くまとめるのが先です。お手数ですが、金額欄を確認できる画像を再送いただけますかという形でも、相手への配慮と用件を両立できます。

ご確認いただくことは可能でございますでしょうかのように、語尾を長くする必要もありません。関係や場面に合わせ、お願いします、いただけますか、いただけますでしょうかから文に合う形を選びます。

やわらかくするために事実まで曖昧にしないことです。読めない箇所は明確に述べ、相手を責める評価を外し、実際に必要な対応をお願いします。

送信前には原因を決めつけていないか見直す

資料の作成者に原因があるとは限りません。画像を縮小して共有した、印刷時に小さくなった、閲覧側で一部が表示されないなど、送付や利用の条件も確かめたいところです。

原因が不明なら、私の環境では注記の文字が表示されていませんと、確認できる状況を書けます。ただし、元データの文字が明らかにぼやけているなら、確認済みの問題を無理に自分側へ寄せる必要はありません。

最後に、受け取った相手が修正するのか、再送するのか、説明を返すのかを確かめます。どの対応か分からない文章なら、敬語を足す前に依頼の部分を具体的に書き直します。

まとめ|見にくい・見づらいは原因と依頼を添えて伝える

見にくいと見づらいは、ビジネスでも使える言葉です。見づらいだけが敬語という違いはなく、丁寧さは文全体と、相手への配慮を含む伝え方で示します。

文字を読めないなら判読しにくい、項目の関係をつかめないなら確認しにくいと、問題に合う言い方を選びます。上司や取引先へは対象と依頼を添え、自分の資料にはお詫びと実際の改善を伝える形です。

メールを送る前に、どこが、なぜ読みにくく、何をしてほしいかが分かるかを確認します。表記は見づらいにそろえ、相手が次の作業に進める文章へ整えます。

FAQよくある質問

Q
「ご覧になりづらい」は正しい敬語ですか?
A

見ることを尊敬語で表す形として理解できますが、相手に読みにくさの負担があることを述べるため、文脈によっては回りくどい言い方です。資料の送付なら、文字が小さく確認のお手数をおかけしますと状態を説明し、拡大版を添えるほうが用件を伝えやすいでしょう。

Q
「見にくい」と「醜い」は同じ意味ですか?
A

意味は異なります。見にくいは見ることの難しさ、醜いは外見などへの否定的な評価を表す語です。

発音が同じため、口頭では対象や原因を添えると誤解を避けやすくなります。文字が小さく読み取りにくいと伝えれば、見た目を評価しているのではないと分かります。

Q
「読みにくい」と「読みづらい」はどちらを使いますか?
A

どちらも読むことの難しさを表し、使える場面には重なりもある言葉です。メールでは一方を正解と決めるより、文字が小さいのか、文章が長いのか、説明の意味をつかめないのかを添えると具体的になるでしょう。字体がかすれているなら判読できないと書くなど、原因に合う表現を選びます。

Q
依頼の語尾は「いただけますか」と「いただけますでしょうか」のどちらですか?
A

どちらも依頼として使われる表現です。いただけますかは簡潔で、いただけますでしょうかはより控えめな尋ね方です。

後者にすれば必ず印象が良くなるわけではありません。相手との関係や社内の文体に合わせ、語尾の長さよりも必要な対応が明確かを確かめます。

Q
資料が見づらいことを伝える際、必ず謝る必要がありますか?
A

受け取った資料について再送を頼むだけなら、自分に不備があるようなお詫びは必須ではありません。送付へのお礼と、お手数ですがという配慮を添えて依頼できます。自分が作成・送付した資料に不備があった場合は、かけた手間に応じたお詫びと対応を伝えます。

タイトルとURLをコピーしました